「ヤレる」と言われた彼女たちは 一人ひとりに人格がある

「ヤレる」と言われた彼女たちは 一人ひとりに人格がある

問題の「ヤレる女子大学生RANKING」は「ヤレる[ギャラ飲み]実況中継」とする特集記事のなかのひとつで、ランキングを考えたのはギャラのみサービス「LION」などを運営する株式会社ハイパーエイトの代表・五十君圭治氏。

「ヤレる」と言われた彼女たちは、一人ひとりに人格がある。時に純朴で時にしたたかではあった。でもそんな彼女たちの生きる姿やあり方は「誰かの性の対象になるため」にあるわけではないと、長い時間をかけて築いた関係が、どんな揶揄も滑稽なものに変換させてくれる。これは、自信を持って言える。

ネット上で見かけた反応について、もうひとつ触れたい。株式会社ZOZOのコミュニケーションデザイン室長・田端信太郎氏はツイッターで「これ『蔑視だ』というのも、貞淑に価値をおく古い貞操観では?。女性が自己決定として性体験豊富になり、そういう女性が多い大学という意味だとしたら、何が悪いんだろ。」とつぶやいている。同様に、「ヤレるランキング」を批判する人は女性の性的自己決定権を否定したいのか、といったツイートはいくつか見かけた。

SPA!のメイン読者層は30代以上の男性だという。30代以上の女性が読む女性誌が「ヤレる男子大学生ランキング」を行っていたら、どのような心境になるか。いい大人が何をやっているのかという気持ちにならないか。想像してほしいと思う。

週刊SPA!(扶桑社)の「ヤレる女子大学生ランキング」特集をめぐる大学生グループと編集部の話し合いについて、ウェブ版の日刊SPA!が自ら報じた。ジェンダー表現で炎上する事例は後を絶たないが、批判された側がここまで「本音」を明かすのは異例だ。

後述するが、SPA!記事の内容からは、性に奔放な女性や口説きやすい女性を見下す目線が伺える。「頭が悪そうに見える」「軽そうに見える」ことが「性的に雑に扱っても構わない」理由につながる意識がある。男性こそ、女性に理由をつけて「ヤレる」「お持ち帰りできる」対象と見ることの危うさに気づくべきだ。理由をつければ性的に雑に扱っても構わないというのは、される側に理由があれば体罰やいじめも肯定されると言うのと似ている。そしてSPA!記事のように、そもそもその理由づけが都合の良い主観だから怖い。

このような事件が繰り返され、被害者が中傷されることもある世の中で、SPA!記事のような一方的な「ヤレる」認定に恐怖や怒りを感じて当然だ。バカにされていると感じて当然だと思う。「こんな雑誌の企画を真に受けるヤツはいない」と笑い飛ばせる世の中を女性は生きていない。

ズレた意見だと感じる。「ヤレるかヤレないか」あるいは「お持ち帰りできるかできないか」といった視点は、男性にとって都合の良い女かどうかを基準に考えられている。女性の性的自己決定権の話とは真逆の方向ではないか。(注)マッチングサービス運営者はテレビ番組の取材に、SPA!の取材時には「ヤレるランキング」ではなく「お持ち帰りできるランキング」について語ったと話している。

すでにBUSINESS INSIDERの記事(SPA!「ヤレる」女子大生企画で謝罪。大学と署名女子大生の怒りの声/1月7日)などで指摘されているが、SPA!は10月23日号でも「この女子大生がエロい!2018年ランキング」を特集し、「ヤリマン生息数が多い大学」「就活ビッチの多い大学」など6つのランキングに25大学を掲載している。ランキングの根拠はこちらも、SPA!編集部が取材した「識者」の主観だ。

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